込められた「想い」

マンモスという言葉には、「地球」への畏敬がこめられている。

マンモス(Mammoth)の語源には諸説ありますが、一説によるとロシア語のMammotに由来し、フィンランド語のMAA(地球、大地=Earth)に通じる言葉であるとされています。古代人が大地に眠る巨大な骨を堀り起こした時、それはおそらく「地球」の豊かさそのものを象徴する存在に思われ、畏敬をこめてMammoth=MAA=Earthと呼んだのではないでしょうか。

マンモスの絶滅は、「環境問題」のはじまりだった。

マンモスの絶滅(約1万年前)の原因にも諸説があります。氷河期後の急激な「温暖化」の影響によるとする、自然原因説。石器を手にした人類の乱獲によるとする、人為説。さらには、人類の家畜からの伝染病によるという、新たな人為説も有力な仮設として浮上しており、現在、多くの学者たちは、諸説が示す原因が複合的に影響しあい、マンモスを絶滅に導いたと考えています。

「並外れて大きな」陸上哺乳類だった、マンモス。

英英辞典でMammothを引くと、「extremely large(並外れて大きな)」という形容詞としての意味が載っています。シベリアに生息していたケナガマンモスは、アフリカゾウ(肩高約3m)とほぼ同じくらいの大きさでしたが、インペリアルマンモス(アメリカ)や、松江マンモス(中国)という種の肩高は4~5mもあり、まさに「並はずれて大きな」陸上哺乳類でした。

本当の「強さ」には、「優しさ」が満ちている。

マンモスの巨体を維持するためには、1日200~300キロもの食糧が必要だったと考えられています。
しかし、巨体を利して食糧を独占するようなことはなかったようで、バイソンやウマ、トナカイなどの他の草食動物とともに移動しながら、仲良く食糧を分け合っていたと考えられています。
マンモスは、「共生」の大切さを教えてくれる、心優しい生き物でもあったのです。

石器時代の住居の「骨組み」に利用された、マンモスの骨。

シベリアや東ヨーロッパ地域で発掘される石器時代の住居には、マンモスの骨が数多く使用されています。ある集落跡では、5軒の住居跡が確認され、1350本ものマンモスの骨(116頭分)が使われていたと報告されています。マンモスは、人類に「建造物」という素晴らしい贈り物を与えてくれたのです。

「資源」は無限ではない、というマンモスの教え。

マンモスの贈り物は、「建造物」だけではありませんでした。肉は食糧に、胃や腸は食糧貯蔵用の入れ物に、牙は生活道具やアクセサリーになり、皮や毛皮もさまざまな用途に活用されました。
しかし、その豊かさを追い求め過ぎた余り、絶滅に追いやってしまったのかもしれないのです。
もしそうだとすれば、人類はマンモスに、大いなる感謝と反省の念を捧げるべきでしょう。

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